考えてみれば「自分が好きな映画」と「人に薦める映画」は違うわけで。
例えばここに「基本的にハリウッド映画しか見ていない人」を想定してみる。日本映画であれば「踊る大捜査線」とかジブリとか見る人。そういう人に「おすすめの映画ある?」と訊かれた場合、何を薦めるかなあ。
間違っても、フェリーニとかビスコンティは挙げるべきではない。黒澤映画も非常に微妙。
デリカテッセン
やっぱり「デリカテッセン」かなあ。楽しく、ブラックで美しい映画。カニバリズムを描きながらここまで笑える映画というのは奇跡的だと思う。
恋愛映画なら「髪結いの亭主」
アメリカ映画であればティムバートンの最初の「バットマン」
ヒッチコックの「裏窓」も古いが楽しめる映画。例えば「サイコ」みたいな斬新な話って、その後の模倣を経て陳腐になってゆく物だから、今見ても大して面白くないわけです。スタンリー・キューブリックも同様で、今見ても大して面白くない。
ソナチネ
日本映画ならやはり北野武でしょうか。「BROTHER」とか「キッズリターン」が見やすいけど、やっぱり「ソナチネ」をおしたい。日本映画の恋愛ものでおすすめは何だろう?思いつかない。思い切って新藤兼人の「三文役者」を大きな意味で恋愛ものと位置づけてしまうか。
12人の優しい日本人
あー、日本映画で大事なのを忘れてた。「12人の優しい日本人」、これはまあ、すごい映画です。密室劇を、そのまま映画にしてしまって、しかも恐ろしいほどのエンターテインメント性。うわ、こういう映画があるんだ!と見たあとで気付く作品。