おねえさんにかみをあらってもらったら きもちよかったので おとをおおきくしたら オムレツをたべた。オムレツにはひきにくとおいもをいれました。たまねぎもいれた。これはKenさんの「パンク・オムレツ」という日記を加工したものです。Kenさんの日記を読んだ時、なんとなく「子供の日記っぽいなあ」と思ったのですが、しかし大きく違う所があった。それは、派手な格好の女の子→ワイルド→パンクという、この因果関係ですね。「子供の日記」の最大の特徴は、因果関係のめちゃくちゃさにあるのではないかと思ったのです。
それで、そこをいじって、本格的に「子供が書いた変な文章」に書き直してみたのが、上の文章です。
つまり「〜したら」という言葉の使い方がおかしい。
しかし大人は「〜したら」の中で起こっている事を色々想像する。で、なんか面白いなあ、と思う。
もう一つ例を挙げると
・視基AB - 青木さやかさんの日記について
最後の日記の構造を維持しながら中身を変えるとこうです。
きょう おにいちゃんとすもうをとった。ぼくは まけたので つまらなかった。おにいちゃんは かちました。こっちは逆に、「僕が負けたんだから、お兄ちゃんが勝ったのは分かってる」わけです。文章を読めば因果関係から予測の出来る事実を、あえて書く。
でも大人は、「最後に、お兄ちゃんが勝った事を付け加える事で、負けた悔しさが出ているなあ」と思う。
先に書いたのを「因果関係の飛躍」だとすれば、後の物は「因果関係の念押し」とでも言いましょうか。本質的には「言葉の誤用」であり「無駄な表現」なのだけど、いわゆる「子供の文章」が高く評価される理由は、こんな所にあるのじゃないかと思ったのです。
そして。こういう「美しくない日本語が、実はブンガク的になったりもする」という事実は、大人のブロガーにとっても大事な事実だと思いますよ。
いや、なんだか、こういうひらがなの文章を突然書きたくなっただけなんですが。