または私は如何にして心配するのを止めて修辞を嫌うようになったか。
今日おどろいた事。
「なんの唐突もなく」という日本語表現の存在。
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なんの唐突もなく - Google 検索 こんなめちゃくちゃな誤用がこんなにも広まっているとは知らなかった。
物知らずが、言葉を知らないくせに「なんか難しそうな言葉」を使ってカッコつけようとするから、こんな事になる。こういう人間だよ、おぼえたての「閑話休題」とか「所謂」とか乱用しちゃうの。
呉智英先生の「スベカラク」の話ではないが、自分の身の丈にあった言葉づかいという物があって、物を知らないのであれば背伸びした言葉を使うべきではない、と思う。
よく、二重否定は表現として難しいと言うが、二重否定だけでなく、否定を盛り込んだ表現というのは難しいのではないか。
・吝かではない(やぶさかではない)
・止むを得ない(やむをえない)
なんていうのがその代表格かも知れない。それなりの学歴と知識を持った人が「やむおえない」と書いている例をよく目にする。
冒頭にひいた誤用は恐らく「唐突+なんの前触れもなく→なんの唐突もなく」という変化であろう。言葉を知らないのであれば「いきなり」でよろしい。ヤブサカではなく、ではなくて「進んで行います」で十分である。
「やむおえない」なんて書くくらいなら、「しかたなく」と書いた方がずっとよい。やや稚拙な表現だが好感が持てる。
知ったばかりの言葉をつ使ってカッコつけた文章を書くよりも、もうちょっと地道に、人に伝えるための文章を書いた方が良いんじゃないの?ということです、言いたいのは。
僕も高校生の頃にはずいぶん修辞や難しい言葉に憧れたが、歳を取って、特にブログを書くようになってからは、そういう類の言葉を使わないようになった。僕はいわゆる「美文」を書ける人間ではないし、だいいち、虚勢を張るためにブログを書いているわけではないから。難しい言葉をヘンテコに使って分かりにくい文章を書くよりも、平易な文章で言いたいことが伝わった方が良いし、そっちの方がむしろかっこいい、と思ったから。
いや実際、言葉に限らず「身の丈にあった」という考え方が薄くなっているような気がする。とか書き出すとと爺臭い説教になるのでここらへんで擱筆(笑)させて頂きます。